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「アーティスト」と「人生はビギナーズ」

以前はあんなに通っていた映画館も最近は、1年に数本の昨今。
なんのことはない、両親が来て出にくくなったのも一因ですが、韓国ドラマ三昧もかなりのウェイトを占めているからでござんす。

4月に「アーティスト」を八丁座で見た感想をモタモタして書いてないのに、「人生はビギナーズ」の感想を書くのもなんなので、まとめて一度に書くこといたしました。

「アーティスト」 ☆☆☆
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2012年4月    八丁座にて鑑賞

2011年フランスのロマンティック・コメディドラマ映画
監督・ミシェル・アザナヴィシウス
主演・ジャン・デュジャルダン、ベレニス・ベジョ

1927年から1932年までのハリウッドを舞台とし、トーキーの登場でサイレント映画の時代が終わったことで没落する男優と躍進する女優を描く物語である。
カラーフィルムで撮影して黒白にコンバートされている。この手法の採用によって、黒でも白でもないグレーの色調が、陰翳豊かに表現されることになった。

第64回カンヌ国際映画祭でプレミア上映され、デュジャルダンが男優賞を受賞
第84回アカデミー賞では作品賞、監督賞(ミシェル・アザナヴィシウス)、主演男優賞(ジャン・デュジャルダン)など5部門を受賞。

かなり評価の高い映画なので「必見だわ」と思ってみたわけでございます。
確かに上質の作品なんですが、なにせ音楽以外音がないわけで、サイレント映画に慣れてない身としては、かなり辛かったです。

しかし、映画評論家などに言わせると{監督のアザナビシウスは多くの局面で、「定型を使って定型をうっちゃろう」としている。この試みが私には面白かった。「アーティスト」は、ハイブリッド・エンジンを積んだクラシックカーだと思う}とのこと。
この映画、古い映画も数多く見ている映画ツウこそ良さがわかる作品らしい。
「第七天国」「サンライズ」「群衆」「市民ケーン」「スタア誕生」などの作品は私は知らない・・・
せいぜい、ヒッチコックの「めまい」くらいから見ている私なので、ほんとの意味のこの映画の良さはわからなかったような気がします。


「人生はビギナーズ」☆☆☆半
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2012年5月9日(水) シネツイン本通りで鑑賞

監督: マイク・ミルズ
キャスト: ユアン・マクレガー、クリストファー・プラマー、メラニー・ロラン、ゴラン・ビシュニック

原題: Beginners
製作国: 2010年アメリカ映画
上映時間: 105分

主人公の父親を演じたクリストファー・プラマーが、第84回アカデミー賞で助演男優賞を受賞。受賞時82歳で演技賞史上最高齢でのアカデミー賞受賞

個性的で、ちょいとおしゃれな映画でした。
妻の死後、75歳にして「ゲイ」だとカミングアウトし、人生の最後を自分の心に忠実に生きた父親。
一見特異な設定ですが、だからこそ普遍性が浮かびあがる作品となってます。。
そんな父親に戸惑いながらも、彼の生き方に背中を押されることになる息子の恋。
父との過去と恋人との現在をシャッフルしながら描くのは、亡くなっても胸の奥に生き続ける大切な人たちへの思い。そして、他者との関係に一歩踏み出せない臆病さ。
そのどれもが、誰もが多かれ少なかれ心の奥に抱え続けているものだからこそ、共感できる作品。

「Beginners 」で、ラストとなります。
何事も初心者になって、なにもかもリセットして、なにもかもチャレンジしていく。
そんな前向きなテーマがさりげなく伝わってくるどこか不思議な、静かな映画でした。

なんだか久しぶりに「好きな感じの映画」に出会えて嬉しかったです。
「やっぱ、映画っていいな~」と感じさせられました。
105分という短い間に、多くを語らずとも全体はしっかり描かれていて、余韻があります。
見る側に「好きに解釈してちょうだい」と。

最近、1話とばしてもさして全体に支障の出ない、「くどい」韓国ドラマばかり見ていると、逆に映画が新鮮に感じられました。
とは言うものの、韓国ドラマ鑑賞はライフワークの一つなので今後も続きますけどね(笑)
by mtanpopo2 | 2012-05-11 16:07 | 映画

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